一般企業が農業に参入するには
農業の後継者不足が深刻化し、耕作放棄地の増加が憂慮されています。こうした状況を打開する方法の一つとして今、期待されているのが、一般企業の農業への参入です。潜在力のある企業が農業に加わって農地を有効利用するならば、石川の農業の活性化に弾みがつくと同時に、地域全体の活力も向上することが期待されます。そして企業自体においても、雇用が確保され、新たなビジネスチャンスを生むばかりでなく、地域貢献が評価されて企業イメージの向上が期待できます。
成功のポイント
1)農業参入成功のポイント
参入を成功させるために、ぜひとも実施したいポイントがあります。
- 専門家と相談
ビジネスチャンスが見込めるかどうかだけで品目や営農計画を決めてしまうと、参入地域で栽培しにくい品目を選んでしまったり、無理な計画を立ててしまうおそれがあります。また、販売まで含めたトータルな収支計画の作成も欠かせません。品目選びや営農計画などは、県農林総合事務所などの専門家とよく相談してから決めましょう。加えて参入地域に足を運び、地元の農家から農地の条件や慣習(農業用水の利用法など)について情報収集する努力も必要です。 - 技術習得と人材確保
成否の鍵は、農業に精通した人材をいかに育成し確保できるかにあります。いしかわ農業総合支援機構が開催する新規就農者向け研修会に積極的に参加したり、農家を直接雇用するなど、農業に明るい人材の確保に努めましょう。 - 地域との協調
農業は、農道や農業用水といった施設を共同で利用し、周辺の農家と深く関わりあいながら取り組んでいく産業です。農業参入を計画する際は、行政機関だけでなく、JAや生産組合、地元農家との関係づくりも積極的に進めましょう。
支援制度
2)支援制度
公的な支援を有効に活用しましょう。支援を受けるには一定の要件を満たすとともに、事業ごとに審査を受ける必要がありますのでご注意ください。
- 農業機械購入への支援
参入する際に必要な機械・設備の整備に要する経費の3/10以内の補助が受けられます。ただし、3年以内に農業を辞めた場合は、補助金を返還しなければなりません。 - 参入企業への支援
県の指定する中山間地域及びGIAHS(世界農業遺産)認定地域において、一定規模以上の農業参入を行う企業、農業法人等に対して、経営が軌道にのるまでの5年程度無利子貸付を行い、経営面での支援を行っています。
パンフレット「石川県の里山で農業に挑戦する企業を応援します!」(PDF) - 農業参入・サポートデスク(石川県農業政策課農業参入・経営戦略推進室)
石川県では、ワンストップ型「農業参入サポートデスク」を開設して、企業と農業・農村との連携をお手伝いしています。
「農地を借りるための制度や手続きが知りたい」「受け入れを希望している市町の情報が欲しい」「作物の栽培方法が知りたい」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
石川県農業政策課農業参入・経営戦略推進室(外部リンク)
農業参入で活躍する企業
平成28年3月末現在、石川県内での参入企業は34社となり、自社で栽培した野菜を原料とした新商品開発に取り組む食品製造業者や、建設工事に利用する型枠を利用した「ゴボウ」の栽培で地域活性化に取り組む建設業者など、各企業がその特徴を活かして野菜等の栽培に取り組んでいるところです。
参入を果たされた企業の皆様のご協力を得て、参入時に苦労した点や農作業、販売における工夫、あるいは農業に対する思い・夢などを事例としてとりまとめるともに、農業参入に当たっての手順や留意事項をわかりやすく整理しました。(平成22年3月発刊当時の情報です。)
- さらなる安全・安心を求めて(株式会社四十萬谷本舗)(PDF)
- 地域性や建設業者の独自性を活かした農業参入(北興建設)(PDF)
- 地域の環境改善に貢献する農業(麝香重機建設)(PDF)
- 食品リサイクル及び循環型農業による地域内ネットワークの形成(金剛建設)(PDF)
- 能登の農業ビジネスモデルを目指す、水産加工業者の参入(スギヨ)(PDF)
- 世界一のワイナリーを目指して(高田)(PDF)
- 地域に根ざした建設業者の農業参入(清廣園緑化)(PDF)
- 建設業者の農業参入で地域おこし(上野組)(PDF)
- 食材基地能登への挑戦(HARUSA)(PDF)
- 地域に根ざした建設業者の農業参入(門寺建設)(PDF)